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- 2016年5月25日
平成28年度診療報酬改定から1ヵ月余り 患者申出療養制度は?
≪困難な病気と闘う患者の思いに応えるため≫として、2016年04月からスタートした『患者申出療養制度』ですが、昨年中から議論のかまびすしかったところでした。『患者申出療養制度』は保険外併用療養制度に位置づけられ、患者さんからの申し出を起点として、国内未承認の治療や投薬を保険適用のものと併用できるようにし、かつ将来は保険適用とするためにそのデータ・科学的根拠を集積しようとするものです。 わが国の医療制度では、新しく開発された医薬品や医療機器は、専門家がその安全性や副作用について確認したうえでなければ使えるようになりません。これに対して健康保険が適用されない自由診療では、客観的なデータが無く効果が判然としない民間療法から、科学的研究が進み検証の最終段階にあるものまで、玉石混交です。個人の責任で自由診療を受けることに問題はありませんが、保険診療と自由診療を組み合わせた「混合診療」は禁止されています。最高裁判例でも≪混合診療の原則禁止は適法≫とされています(最三小判平23.10.25裁時1542号)。一部でも自由診療が含まれれば、患者さんは、もともと保険