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- 2017年2月25日
パラダイムシフト
肺がんの切除後に再発したのですが、そこからみるみるうちに快復した森喜朗元首相のオプジーボ投与例はよく引用されるところですが、先般は小林麻央夫人のオプジーボ投与についても報じられていました。さて2016年09月 悪性黒色腫の適応で既に承認を受けていたものの、オプジーボの高額薬価問題で薬価収載申請を見送り、「様子見」となっていたキイトルーダについては、2017年02月15日、1日あたり薬価でオプジーボと同額にて保険適用となりました。 以下、オプジーボ、キイトルーダの製品概要です。 ここでまず、免疫チェックポイント阻害薬について大まかに≪おさらい≫です。免疫の司令塔である樹状細胞ががんを発見すると、免疫にかかわるT細胞にがん抗原を呈示して攻撃のシグナルを送ります。T細胞はこれを受けて攻撃対象を認識し、攻撃を仕掛けます。このとき樹状細胞のB7というタンパク質がT細胞の受容体:CTLA-4に結合すると、T細胞のはたらきが抑制されます。さらにがん細胞は攻撃を逃れるためにPD-L1というタンパク質を発現してT細胞の受容体:PD-1に結合し、T細胞の攻撃にブレー