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The ♡ 暖会


テーマ「あなたの “`がん” を子どもに話しましたか?」

がん と診断されたとき、我が子に伝えた方がいいのか悩みます。伝えたくないという葛藤と、どう折り合いをつけて、子どもと向き合ったのか、5人のお母さんに話していただきました。

参加者 発病  子(当時)  

Aさん:50代 大学生、社会人

Bさん:40代 思春期、大学生、社会人

Cさん:40代 学童期、思春期

Dさん:40代 乳幼児期2人

Eさん:40代 乳幼児期2人

〈伝えることに迷いはなかった?〉

Aさん:私が発病したとき、子どもが闘病中で、家族が団結していたので、「伝えない」って選択肢はなかった。良いことも悪いことも共有する、それが家族だと思う。

「自分がたくさん心配をかけたせいで、ストレスになったよね」って、子どもに言われたときは、自分のせいでお母さんががんになっちゃったのかも・・・っていう心の声が聞こえたような気がする。

Eさん:誰のせいでもないのに、「自分が悪い子だから、お母さんが病気になった」って思う子どももいるらしい。私もがんと診断されたとき、「何も悪いことをしていないのにどうして?」という思いがよぎったのを覚えている。

子どもに伝えるとき、パートナーの存在は大きくなかったですか?

Bさん:そうですね。子どもたちには、パートナーが話してくれました。「辛くても事実を受け止め、一丸となってお母さんを守ろう」と。でも、それぞれにショックは大きかったようです・・・。

電車の中に大切な物を置き忘れたり、下宿先から帰りたいけど帰れないやり切れなさに涙したり、何気ない通学途中で溢れる涙を抑えきれなかったり・・・と。それでも私の前では、いつも通り冗談を言って笑わせてくれました。 

Cさん:私も検査入院からそのまま治療に入ったので、子どもたちには、パートナーが話しました。「治療すれば治るんだよ」という言葉に安心したようで、子どもたちと病気の話をした記憶がありません。

Eさん:やはり、パートナーの存在はありがたいですね。

お子さんがまだ小さかったDさんは、「伝える」ということより、どのように「接する」かで戸惑いませんでしたか?。

Dさん:母が上京して、子どもたちの面倒を見てくれました。

「お母さんは病気で、しばらくはお家に帰れない」と話したようです。子どもたちの生活リズムを守ってくれたことに感謝しています。一時帰宅したとき、子どもたちは私を見て、おっかなびっくりな表情で、すぐには傍に来てくれなかったんです。ちょっと寂しかったかな。

Eさん:親ってありがたいなって・・・って改めて思いましたよね。病棟で知り合った方からは、実家が遠方なので、子どもは施設に預けるしかなかったという話を聞いたことがあります。

おばあちゃんに、「ママは、ご病気だから病院にお泊りしている」と言われて、子どもは、「病気」と「ご病気」のニュアンスの違いを察知し、ただの風邪じゃないと思ったそうです。外泊すると、ちょっとよそよそしく、「ママ、ご病気大丈夫?」と心配してくれました。外見が変わった私を見て、一瞬「えっ!違う」って表情をしたのは忘れられません。

子どもって、家族のちょっとした変化にもとても敏感で、いつもと違う何かが起こっていることに気付く力が相当ありますよね。親のためを思って、そのことに触れないように振る舞うとか。

伝えるかどうかは家族によって状況や考え方が違うから正解はないけど、「子どもがいるからがんばれる」と歯を食いしばって、どんな治療も乗り越えられましたよね。

〈伝えた後の生活に不安はなかった?〉

Cさん:パートナーは周りから不安になるような情報が耳に入ることを心配していました。良いママ友にずいぶん助けてもらいましたが、「死」という恐怖をあおる言葉や「うつる病気なの?」という疑問を子どもに向けてほしくないですよね。

Eさん:テレビはもちろん、今は学校でも当たり前にがんについての情報を耳にします。特に「がん=死」という情報があふれている中、自分の親から答えをもらえたら、情報に振り回されなくて済みますよね。

Dさん:学校といえば、子どもが中学生のとき、原発の授業で、甲状腺と白血病を勉強したそうです。「お母さんはこんな確率の低い病気になったんだ・・・」と改めて思ったそうです。

Aさん:闘病中の子どもは、自分と同じ病気の人のブログを読んで助けられていたそうです。私はネットで見た生存率の数字に、どれだけショックを受けたことか。

Eさん:私は、子どもが小さかったので、保育園や学校の先生、信頼できるママ友に病気を打ち明けてフォローしてもらいました。GVHDで入退院を繰り返したときも安心でした。

Bさん:先日のこと、当時、大学生だった子どもの結婚式で、子どもの友人たちが、「ずっと心配していました」「元気になって良かったですね」「うちの母も喜んでいました」と声をかけてくれました。私の前ではずっと平静を装っていたけれど、本当はそうではなかった子どもの気持ちを垣間見た思いがしました。

Dさん:子どもたちは私の病気のことを誰にも言わなかったようです。当時はTVで芸能人が、がんをカミングアウトしていたから、子どもの気持ちも揺れますよね。

Cさん:そうそう、病室でもよく話題になった。

Eさん:今年、大学生になった子どもは、先日TVを見ていて、突然、「白血病ってがんだったんだー!!」と。リアクションに困った私は、「えーっ!!?」と笑うしかありませんでした。

がんと診断された患者さんは、およそ4人に1人が子育て中だったそうです。子どもに自分のがんを伝えるのか、伝えないのか。親ががんになった子どもを周囲はどのようにサポートしていけばいいのか。大きな課題となっているようです。

〈おわりに〉

一定の治療を終えて社会復帰している私たちの経験が、ちょっとしたヒントに、また、ホッと一息つける瞬間になりますように。

参考:「がんになった親が子どもにしてあげられること」

   ポプラ社

   東京共済病院がん相談支援センター 大沢かおり

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